あけましておめでとうございます。本年も阿弥陀様の慈光に包まれて、すばらしい年でありますよう念じております。

 さて今月のことばでは、しばらく信心についてお伝えしておりますが、法然上人は『一紙小消息』において「今弥陀の本願に乗じて往生しなんに願として成ぜずということあるべからず。本願に乗ずることは信心の深きによるべし」と述べ、信心の大切さを示されています。

 これを現代文にすると、今阿弥陀様の本願に乗って浄土に往生しようとしたならば、その本願はすでに十劫という遠い昔にすべて成就しているので、必ず往生できるのです。他に何もなく、阿弥陀様の本願をただ深く信じることだけなのですということです。

 この乗ずるとは、例えば電車や船に乗るということで、乗れば目的地に向かっていくのと同じように、阿弥陀様の本願の船に乗れば目的地である極楽浄土の世界に必ず往生することが可能となるのです。この本願の船に乗るということが、念仏を申すということであり、さらに念仏を申せば必ず往生できるということを深く信じることが肝要なのです。

 しかしながら私たちは、言葉で信じるということは容易いことであるが、心底信じるということは実に難しいものです。私たちはあまりにも人を信じることが少なく、裏切ったり嘘を言ったり、騙したりの心に左右され、信じることがなかなかできない煩悩具足の凡夫であります。だからこそ法然上人は、まずひたすらに念仏することを勧められています。つまり行が信を深め信が行に励みを与えてくれるのです。

 法然上人は『一枚起請文』の結語において「ただ一向に念仏すべし」と念仏の行を第一とされています。しっかりお念仏を申してまいりましょう。

教務部長 井澤隆明