お知らせ

浄土宗開宗850年奉賛局だより(2月)

2023.02.01

川村一紀部長を悼む 〜奉賛局より感謝を込めて〜

 増上寺で過ごした4年間、父は幸せそうでしたーしめやかに執り行われた通夜で、川村一紀奉賛局前部長の御遺弟川村良元上人は振り返られました。開宗850年という節目に全国の寺院、檀信徒から協力を得て、自分を信じてくれる仲間とともに一から事業を創りあげていく。奉賛局の仕事は忙しいながらも誇らしげで、活力に満ちた様子であったとのことです。


 「こちらは命を懸けてやっているんだ、全国の期待を背負っているんだ」

 昨年7月、難航する業者との交渉のなか、川村部長が相手方に発した言葉です。

 部長は平成30年9月、開宗850年奉賛局の部長として入山以来、慶讃事業に情熱を傾けてこられました。勧募が始まってから3千件もの御礼の電話をかけてきたのは、部長の誠実で、ひたむきなお人柄の表れです。いつも明るく、穏やかで、挑戦しようか迷っている時には「やってみようよ」と背中を押してくれる部長に私たちは育てられました。

 命を懸けていると発破をかけた時、この時はまだご自身すらも身を蝕む病に気づいていませんでした。それからたった4か月。令和4年11月23日、部長は浄土に往生されました。


 部長が亡くなったことは、大きな悲しみでした。故郷に帰って余生を楽しむ時間もなく亡くならせてしまったことに、部下として申し訳なさも感じていました。

 だからこそ通夜で部長は幸せそうだったと言葉をかけられた時、私は胸がいっぱいになりました。寂しいけれど、部長と一生懸命仕事をできてよかったのだ、感謝と充実感が溢れてきました。

 部長は亡くなる直前まで慶讃事業のことを気にかけていました。今も浄土で事業のことを考えているに違いありません。新しい体制のもとでも川村部長と共に開宗850年を迎える、これまでと変わらず、これが私たちの進む道です。。

※慶讃事業のために力を尽くした川村部長について、感謝をこめて記録に残すことが最大の供養になると考え、ここに筆を執りました。掲載に当たりご理解をいただきました関係各位に感謝申し上げます。

大本山増上寺 浄土宗開宗850年奉賛局
堀江利昌