諸堂宇整備事業

大殿

 大殿は、戦災により焼失した旧大殿の復興を目的として、昭和49年(1974年)に完成しました。本堂では、日々の勤行・法要や御忌大会をはじめとした大きな法要が執り行われ、その階上にある180畳敷の道場では、全国の僧侶や仏門を志すものが修練を積んでいます。

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大殿屋根瓦総葺き替え

 建立時に葺かれた土瓦が経年により劣化していたため、新たに厚さ0.3ミリメートルのチタン瓦で総葺き替えを行い、令和3年10月29日に完工しました。この工事により屋根の重量は約10分の1となり、建物にかかる負荷は格段に小さくなりました。本事業に際し、瓦志納として全国から浄財が寄せられ、志納者約30,000人の名前と思いが新たな瓦に刻まれています。

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躯体耐震補強事業

 大殿は現行の耐震基準に照らして耐震性が一部不十分と認められたため、令和5年度において、本堂東側の壁を厚くし、地下2階霊廟内の一部柱を太くする耐震補強工事を行いました。

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本堂天井補強事業

 本堂の天井までの高さは8メートル以上あり、大地震等により崩落すれば大きな被害が予想されるため、崩落を防ぐ補強工事を実施しました。補強箇所は、14,000か所以上に及びました。


  

内陣床塗装事業

 本堂内陣の床は、塗り替えられてから約14年が経ち、傷や剥がれが目立つようになったため、ウレタン塗装の塗替えを行いました。計6度の塗り重ねによりご本尊の姿が床に反射し、きれいに映し出されています。

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設備更新

 大殿の給排水・空調設備は、建立から更新されていない部分があり、劣化が著しい状態でした。本事業では、主として機械室内の配管、各階を繋ぐ竪配管及び高架水槽の更新を行いました。




三解脱門

 三解脱門は1622年に建立されて以来、増上寺の顔として多くの人々に親しまれてきました。増上寺の堂宇のほとんどが震災や戦災により焼失しているなか、三解脱門は江戸初期から現存する貴重な国指定重要文化財です。令和5年には、建立400年を迎えました。


大修理事業

 三解脱門は、長年の荷重により軸部の歪み等が生じており、大きな改修が必要となっています。そのため、軸部構造の是正・補強、屋根瓦葺き替え、朱漆の塗替え等の大修理を計画しています。

 令和3・4年度において詳細な調査工事が行われ、三解脱門の現状が明らかとなり、具体的な方針が策定されました。これを踏まえ、長期に及ぶ大修理が予定されています。

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楼上仏像修復事業

 三解脱門の楼上には、釈迦三尊像や十六羅漢像などが祀られています。三解脱門大修理と合わせ、これらの像を修復する予定です。

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特別公開事業

 大修理を控え、また建立400年を迎えたことを記念し、令和4年10月、11月に楼上の特別公開を11年ぶりに実施いたしました。史上初めての夜間公開も行われ、延べ約24,000人の参拝者が拝観しました。
 関連して実施された清掃ボランティアには中高生120名以上が参加しました。

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その他諸堂宇


増上寺会館

 各種会議や研修に利用されている会館は、利用者の安全を図るため、経年劣化の進んでいた自動火災報知設備等の更新を行いました。

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ほか

 大門・耐震補強工事、黒門(旧方丈門)・支柱の一部部材交換工事等、経蔵・屋根瓦葺き替え工事等を行いました。