お知らせ

浄土宗開宗850年奉賛局だより(9月)

2023.09.01

ビルド・バック・ベター
 〜関東大震災から100年。災害により強くなるために〜

 大殿本堂の耐震補強工事が終了致しました。工事期間中、安全のため本堂を閉め、お参りを制限しておりましたこと、申し訳なく思っております。皆様のご理解とご協力に感謝申し上げます。

 くしくも本月は大正12年(1923年)9月1日に関東大震災が起こってから100年となります。日本各地で地震や大雨の災害が叫ばれる中、今一度、防災・減災・縮災を一人一人が考えてみたいものです。

 私たちは多くの災害を経験してきました。平成27年(2015年)仙台で開催された第3回国連防災世界会議で採択された「仙台防災枠組」の中では「ビルド・バック・ベター(より良い復興)」が提唱されています。被災した土地や建物に限らず様々な仕組みを「元の状態」に戻すのではなく、「より災害に強い状態」にしましょうということです。

 あるお寺様では、ご供養のお供物に缶詰やレトルト食品、日持ちのするお菓子などをお持ちになる方が見受けられるようになったそうです。9月は秋の彼岸の月でもありますが、お寺やお墓へのお供えに限らず、お家のお仏壇への「お供え」がいざという時の「備え」になるという考えもあってはいいのではないでしょうか。

 増上寺は災害が起こった場合、十分に安全を確認したうえで帰宅困難者を一時的に受け入れることになっています。そのような非常時のために備蓄をし、必要と思われる物資をそろえています。

 そして、現在行っている大殿の耐震補強工事も、災害に強い状態を作り出すためのものです。増上寺はレジリエンス(困難に適応し、回復する能力)を高め、地域の核として皆様の心の拠り所として在りたいと願っています。

 この秋からは地下2階霊廟の耐震補強工事が始まります。竣工は本年12月を予定しています。引き続きご理解をいただきますようお願い申し上げます。

※7月の豪雨で被災された地域にお住まいの皆様にお見舞い申し上げます。

奉賛局部長 中村瑞貴