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開宗850年のお待ち受け

年頭のごあいさつ  年が改まり、つつがなき1年でありますよう祈念申し上げます。

 新年を迎えると、時に新春のお慶びという言葉が使われます。24節季でいうと、1月6日が寒の入り、20日には大寒になります。そして大寒が終わるとすぐに立春になります。暦の上では春になります。実は1月22日が旧暦の1月1日、旧正月です。旧暦の時代のお正月は立春が間近であり、春が待たれる気持ちが新春の言葉になったのでしょう。

 本年は宗祖法然上人が浄土宗を開かれて850年になる前年、お待ち受けの年になります。来年のご正当に向けて様々な記念の法要や事業が予定されていると思います。法然上人は「われ浄土宗をたつる心は、凡夫の報土にむまるることをしめさむためなり」(『48巻伝』第6)と述べておられます。報土とは阿弥陀様がおられる西方の極楽浄土のことです。

 阿弥陀様のご本願に基づくお念仏ならば、すべての人が平等に本願の船に乗せていただき、阿弥陀様のみもとに救済されることを示された言葉です。私たちは法然上人のお念仏のみ教えに基づく浄土宗の一員です。
これは普通の日常生活を送る私たち凡夫のための教えであり、信仰心を踏まえれば、阿弥陀様は私たちに手を差しのべて下さる仏様です。年頭に当たりもう一度再確認したいと思います。

法主 小澤憲珠


新年のごあいさつ

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 小澤憲珠台下からの執事長拝命を承り、新内局が発足して4ヶ月余が経ちました。皆々様には友田前内局の時と変わらないご支援をいただき誠にありがとうございます。新年に当たり、益々のご理解ご教導を賜りたくお願い申し上げる次第でございます。

 増上寺では、いよいよ明年に迫った「法然上人浄土宗開宗850年」に向けて、諸々の慶讃事業に取り組んでおりますが、コロナ禍にもかかわらずご寺院様はじめ、檀信徒、講中、有縁の皆様から尊い浄財をいただき、ほぼ予定通り進展しておりますことに衷心より感謝の念を表します。

 主たる事業の一つである三解脱門大修理は、まもなく調査工事を終えて、入札等の準備に移り、明年の慶讃法要後に素屋根をかけることから始まる本格工事へと進めてまいります。

 大殿については、大地震が起きても参拝の皆様の安全が確保されるように、本年耐震補強工事を行います。本堂の壁を厚くする工事を行うほか、一部の柱等を補強していく予定です 。工事中はご不便をおかけ致しますが、ご理解のほどよろしくお願い致します。

 明年のご正当まで残りわずかとなってまいりました。慶讃事業の完遂に向け、勧募へのお力添えを引き続きよろしくお願い申し上げます。

 世の中の大きな変化の中、伝法を中心とした伝統を核心として大切にしながら、この時代に首都東京の増上寺に求められているものを常に探り、より多くの方々に、安らぎ・こころの触れ合いの場を提供し、社会への貢献を実行し、法然上人のお念仏の弘通に努めてまいります。

 小澤台下の晋山式が3月2日奉修されます。本年が希望の年であることを、皆様のご健勝を、心より祈念しご挨拶と致します。

合掌

執事長 小林正道