
阿波丸殉難者慰霊法要 奉修
阿波丸事件の犠牲者を追悼する阿波丸殉難者慰霊法要が、4月13日、遺族・関係者参列のもとに執り行われました。
阿波丸事件は、終戦間近の昭和20年4月1日、シンガポールから日本に向けて航行していた貨客船「阿波丸」が、日米間の協定により安全航行が保障されていたにもかかわらず、米海軍潜水艦の突然の攻撃を受け、沈没した事件です。この事件で、外交官や商船員、商社員など2,000名以上の命が失われました。
増上寺には、事件の犠牲者を供養するための慰霊碑があります。慰霊碑は、遺族会の希望により昭和52年に建立され、翌々年には海から引き揚げられた遺骨の一部が納められました。事件から80年を迎える本年、各所に傷みが生じていた慰霊碑は、遺族有志によって修繕がなされました。
慰霊法要は大殿本堂にて行われ、修繕の完了をご本尊に奉告するとともに、犠牲者の追善供養を行うものとなりました。法要後には、小雨の降るなか、参列者が慰霊碑を訪れ、線香を手向けて犠牲者を哀悼しました。
法要に参列した遺族は、今でこそ平和な日本で過ごす私たちも、過去の悲しい歴史を忘れてはならないと振り返りました。