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年頭のごあいさつ

令和8年の年頭にあたり ―元祖法然上人の御遺訓を奉戴―

年頭のごあいさつ  元祖法然上人の最晩年のご法語は『一枚起請文』として知られています。これは元祖様の常随の弟子であった源智上人より「念仏の安心(あんじん)、年来(としごろ)御教誡にあづかるといへども、なお御自筆に肝要の御所存、一筆あそばされて給はりて、のちの御形見にそなへ侍らん」(『四十八巻伝』第45)という要請を受け、法然上人自らがしたためたものです。伝記では「上人の一枚消息と名づけて世に流布するこれなり」とあります。このご法語は法然上人の形見として所望したので、後には「御遺訓(ごゆいくん)」としてのご法語になりました。

 法然上人のご命日は建暦2年(1212年)の正月25日です。毎年正月のこの日は、大本山増上寺の4月の御忌法要の唱導師をお勤め下さる上人方に、正式なご依頼をする教書伝達式が執り行われます。御忌とは法然上人の忌日の法要です。まさに正月25日のご正当の忌日に、『一枚起請文』に御遺訓としてお示し下された元祖法然上人のお諭しを奉戴して、教書が伝達されます。

 浄土宗が日常勤行で拝読するのは、大本山金戒光明寺蔵の起請文です。これによればご自筆によってしたためられたのは正月23日です。その肝要は「ただ往生極楽のためには南無阿弥陀仏と申して、疑いなく往生するぞと思いとりて申すほかには別の仔細候わず」です。これがお念仏の肝要です。この後の文で、元祖様ご自身が、お念仏の教えは、これ以上でもなく、これ以下でもないと、釈 、弥陀の二尊に起請文として誓っています。これは当時の門人たちへの制誡であると同時に、今日の私たちへの御遺訓でもあります。

法主 小澤憲珠


新年のごあいさつ

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 皆々様には日頃格別なご理解と協力をいただき、感謝にたえません。

 増上寺では、「法然上人浄土宗開宗850年」の最後の大きな慶讃事業としての三解脱門大修理工事が、一昨年始まりました。大きな素屋根が建てられ、正面のメッシュシートにはほぼ実物大で大きな三門の絵が描かれ、そこに三門があることを参詣者の方々にはっきりとした形でお示しすることができるようになりました。楼上の仏像群も搬出し、開山堂にご安置いたしました。これも皆様からのご支援の賜物です。重ねて御礼申し上げます。

 また、開宗850年を祝うかのように、昨年4月17日にユネスコ(国連教育科学文化機関)から、徳川家康公ご寄進・当山所蔵の『三大蔵』が、『増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書』として、ユネスコの「世界の記憶」に国際登録されたという嬉しいニュースが飛び込んできました。増上寺と浄土宗との共同申請ですが、それは皆様方の誇り・栄誉であり、全仏教徒、すべての人々の喜びであります。仏教的、思想史的等の意義のみならず、我が国が特に江戸期に長らく平和を保ってきた証であり、世界平和・心の安穏の象徴であり、灯火であります。増上寺としても、大切に守り、またその意味を発信してまいります。皆様もよろしくお願いいたします。

 当山にはますます多くの参拝の方々が、全国各所はもとより世界中からみえております。檀信徒の方々をはじめ、広く門戸を開き、この難しい時代に法然上人のみ教えをお伝えし、人々の心に安らぎを、世界に平和を、と念じつつ、精進してまいります。皆様のこの一年のご健勝を心よりお祈りしご挨拶といたします。

執事長 小林正道