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増上寺経蔵・黒門、修復工事完了のご報告

kegyoukinenkesa.jpg 江戸時代の増上寺を偲ばせる数少ない遺構である経蔵と黒門を、このたび東京都及び港区より補助金をいただいて修復しましたのでご報告致します。

 東京都の指定文化財である増上寺経蔵は、昨年4月、屋根瓦落下の危険性が指摘されたのを機に全体の現状調査を行いました。その結果、屋根の瓦や銅版、野地板の劣化、裳階部分の柱の腐食、外壁や扉の漆喰のひび割れがあることがわかり、本年1月より修復工事に着手しました。屋根の野地直しや葺替えを行い、東日本大震災の際に応急処置を施した外壁を含めた全体の左官工事等を終えて8月末に竣工し、宝形屋根に四面白壁の美しい姿が蘇りました。

kegyoukinenkesa.jpg また、港区の指定文化財である増上寺旧方丈門(黒門)は、徳川三代将軍家光公により寄進された元増上寺方丈の表門で、一間一戸の切妻造本瓦葺、高さ8メートルの四脚門です(表紙写真)。

昭和55年(1980)善導大師千三百年遠忌を期に、表側の飛檐垂木の大部分と、東側の破風板、瓦の一部を補修し、三解脱門南隣りの現在地に移築しました。今回の修復は平成27年11月、柱部分にシロアリ被害がみられるとの報告が入り、調査の上、本年6月から7月にかけて土壌処理及び南北の控え柱の工事、防蟻剤塗布を行いました。