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青銅製燈籠 再び増上寺に

青銅製燈籠 再び増上寺に  旧徳川将軍家霊廟に奉納されていた青銅製の燈籠4基が、このたび埼玉県狭山の不動寺から増上寺に移設され、大殿前石段脇と宝物展示室入口に祀られました。
 かつて歴代将軍が薨去すると、全国の大名から灯籠が寄進され、菩提寺に造営された各霊廟に献備されました。寄進する灯籠の数や種別は、大名の石高によって決められていたそうです。江戸時代、増上寺本堂の南北に広がっていた二代、六代、七代将軍の霊廟には、1,000基もの石燈籠と、80基ほどの青銅製の燈籠が祀られていました。
 今回移設された4基は、六代将軍徳川家宣公の霊廟である文昭院殿霊廟の宝前に奉納されたものです。文昭院殿霊廟は、威容華麗を誇った台徳院殿霊廟に引き続き、1712年に増上寺の北側に造営されました。惜しくも戦災で焼失しましたが、再び増上寺に祀られた灯籠は、往時を偲ばせる荘重な雰囲気を醸成しています。

【大殿前石段脇 2基】
 奉献者:越中国富山藩主 前田利興
 鋳物師:宇田川藤四郎重次
【宝物展示室入口(南側)】
 奉献者:安芸国広島藩主 浅野吉長
 鋳物師:多川民部藤原見歳
【宝物展示室入口(北側)】
 奉献者:前越後国高田藩主 松平定重
 鋳物師:今井信濃藤原勝長