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木造広目天・多聞天像修復のご報告

 増上寺に伝わる「木像広目天・多聞天立像」(東京都指定文化財)は、歴代将軍の廟所が置かれていた江戸城内紅葉山の厳有院殿(4代将軍家綱公)廟に祀られていたものです。明治維新後に紅葉山から増上寺に移され、四天王像四体のうち2体が今に残っています。

alternate 木造広目天・多聞天立像

 東京都指定有形文化財(彫刻)。作者は京仏師康祐、天和元年(1681年)に製作された。

寄木造り、彩色、玉眼。像高は広目天71cm、多聞天72cm。

 平成31年(2019年)4月、当山宝物展示室にて展示する際に状態を確認したところ、2体共に首・肩・腕などの接続部分の緩み、彩色の剥落・割れ、鉄釘の腐食等が見られることがわかりました。そこで、応急処置を施して展示した後、令和2年度の事業として東京都から補助を受け、表面のクリーニング、彩色の剥落止め、矧ぎ目の補強・接合、鉄釘の防錆処置等の本修復を行うことになりました。

alternate  新型コロナウイルスの影響で開始が遅れましたが、本年7月中旬に都内の修復工房に御像が移送され、修復がスタート致しました。工期は約6ヶ月で、東京都及び港区の文化財担当者と修復指導の先生の立会いのもと、途中2〜3度経過確認と修復方針の協議が行われ、年度内には修復が完了し増上寺に納められる予定です。