あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて今年最初の今月のことばは法然上人の「つねに仰せられける御詞」より選びました。27箇条からなるこのご法語の出典は『勅修御伝』(48巻伝)巻第21であります。このご法語は表題のように、法然上人が常日頃多くのお弟子様や信者の人々に、何度もお話しになっていたとても重要なご法語です。

 その内容は、たとえお念仏以外のことをするにしても、お念仏を申しながらそれをするように心がけなさい。そのことをするついでにお念仏を称えようと思ってはなりません。

 思えば私たちの毎日の生活を振り返れば、忙しい忙しいと言いながら世情に振り回されて慌ただしく過ごしているのが現実です。仕事のこと、家庭のこと、趣味のこと、地域社会のこと、親戚のこと、子供のこと等、毎日新たな事柄が連続し、その対応で一日一日が過ぎ去っていき、アッという間の一年です。

 念仏を申すことはとても大切なこととは理解していても、念仏がおろそかになっているのが現実です。このような私たちに浄土宗の宗義では、三種の念仏生活の有様である三種行儀が説かれています。

 第一に尋常行儀、尋常とは普通のことでいつでも念仏申すことですが、これがなかなかできません。そこで次に別時行儀、毎日称えることが長続きしないので、お盆、お彼岸、ご先祖の命日など日時を決めて申す念仏です。最後の臨終行儀は一番心のこもったお念仏ができるでしょう。今臨終を迎える人は、助けたまえ阿弥陀仏と必死で称えます。しかし死の縁はかねて思うにもかない候はずで、臨終はいつ来るか誰にもわかりません。だからこそ尋常の念仏が一番大切です。別時行儀は言わば尋常の中の別時と考えるべきであります。

 この尋常行儀をわかりやすく伝えたのが今月のことばです。いつでもどこでも何をしながらも、ながら念仏を忘れないようにしたいものです。

教務部長 井澤隆明