心を廻して
多く念仏せしむれば
能く瓦礫をして
変じて金となさしむ
令和8年6月 法照禅師『五会法事讃』より
6月ともなればアジサイの花が見頃です。正岡子規に
紫陽花や はなだにかはる
きのふけふ
という句があります。「はなだ」とは薄い藍色のことです。アジサイは土壌の性質が花の色に影響を与えるといいます。
「紫陽花」と漢字を当てるくらいですから、「紫」が本来の色だろうと思っていましたが、調べてみるともともとは「ピンク」なのだそうです。
アジサイの花びらに見えるのは萼の部分です。そこにはアントシアニンという色素が含まれていて、その色素がアジサイの花をピンク色に染めています。ところがその色素はアルミニウムと結合するとピンクから青や紫に変化します。一方、アルミニウムには酸性の土壌の中に溶け出してしまう性質があって、それをアジサイが吸収すると萼に含まれるアントシアニンと結合してアジサイを紫や青に染めていくというのです。土壌がアルカリ性の場合、アルミニウムは溶け出しにくくアジサイは本来のピンクを保ちます。
ところでブッダ(お釈迦様)の伝記には、ブッダがさとりを開いて仏となられた時、その肌が金色に輝いたと記されています。金色は仏様の尊いさとりの境地を象徴しています。仏像が金色であるのも頷けます。とはいえ仏様だけが金色に輝くわけではありません。仏様と比べれば瓦礫のように見える私たち凡夫であっても、ブッダが説き明かすには、お念仏を称える者の臨終には阿弥陀仏が迎えに来て下さり、極楽浄土へと救い摂って金色に輝かせると、阿弥陀仏はそのようにお約束されているとしています。
お念仏と結合した私たちはいつか極楽浄土で金色に輝きます。いつか仏様のように輝く我が身を重ねながら、見頃となったアジサイを愛でてみてはいかがでしょう。
教務部長 袖山榮輝







