一筋の光
先日外出先から自坊に帰りますと、境内に現れた鹿の親子5匹ほどが私に気づき山の方へ逃げて行きました。困ったことに、大切に育てている花木の若芽を食べているのです。このようなことは北海道では珍しいことではなく、近年北海道では鹿の生息数は爆発的に増え、さらに鹿による農被害は年間およそ50億円にも上ります。捕獲や防護策の設置、食肉使用など対策を講じていますが今後も被害の拡大が懸念されています。動物からしてみれば食事をしているだけなのですが、その野菜を育てている農家の方々やさらには、私たち現代人の生活を考えると中々難しい問題です。
私たちは日々の生活の中で知らず知らずのうちにたくさんの罪を犯しています。生き物を殺してはいけないと言いながら、他の生き物の命をいただいて食事をしています。嘘をついてはいけないと言いながら、嘘も方便だと言ってつくこともあるでしょう。これらは仏様の目から見れば十分に罪なのです。罪を作りながら生きていくしかない私たちなのです。
そんな罪に塗れた私たちはこのまま何もせずに、命が尽きたあと幸せな世界に生まれ変わることは到底できません。生まれ変わる先は、自分自身の悪い行いによって決まっていくのです。私たちは六道輪廻という苦しみと悲しみの世界を、生死を繰り返しながら永遠に抜け出せない状態であるということなのです。
このように、自力ではどうにもならない状態の私たちを救い出していただける一筋の光をお示し下さったのが、阿弥陀様です。
阿弥陀様は、苦しみの六道輪廻の世界から抜け出せる極楽往生への唯一の修行として、お念仏という修行を選びとり「我が名を称えるものは、全て漏れなく我が浄土に迎える」とお誓いになり私たちにお示し下さいました。
だからこそ、私たちのように罪深い愚かな者でもお念仏さえ申せば、阿弥陀様の本願のお力が一声一声に加わり一人も漏らすことなく、極楽へ往生することとなるのです。
本山布教師 木立大成
北海道第一教区 善光寺







